院長ブログ

2020.05.03更新

今回は新型コロナウィルス予防に口の衛生が大切だということを咀嚼(そしゃく:噛むこと)と歯周病に焦点を当ててお話させていただきます。

「健康は歯から」私のライフワークの言葉です。

日本歯科医師会のお知らせにあるように、今回の新型コロナウィルスやインフルエンザウィルスが喉などの粘膜に貼り付いたときにウィルスが身体の細胞に貼り付き遺伝子が抽出されます。

そのときに、悪玉歯周病菌が存在するとウィルスを増殖する手助けをしてしまい、悪化させるという報告があります。

https://www.jda.or.jp/tv/96.html

普段よりお口を清潔に保ち、悪玉歯周病菌がお口に住めない環境作りを心がけておく必要があります。

悪玉歯周病菌が住める場所は酸素が届かないところです。

主に歯周ポケットの中4ミリ以上の場所です。

歯周ポケットが4ミリ以上の数値にならなければ住処があまりないので悪玉歯周病菌は繁殖しづらくなります。

まずは新型コロナウィルスに感染したくなければ口の中を清潔に保ち、歯周病を予防することをお勧めいたします。

私はターミナル(終末期)の歯科医療を行なっていたこのから、健康な高齢者は歯が健康だということを知りました。

また、咀嚼不足の人や若くしてむし歯がありよく噛めない人は病気になりやすく、困っている様子を見てきました。

さらに歯周病を発症してその年齢が若いほど血管系(高血圧、心疾患、脳疾患)や代謝系(糖尿病など)に罹ってしまう方を多く見てきました。

だから健康な歯が、健康な身体には必須だと言うことを体験から知っています。

歯は28本(親知らずを除く)あります。 どこが欠けても機能は万全ではありません。

歯があっても噛み合っていない場合もあります。

食べ物の粉砕能力があり、唾液をしっかり出せる噛み合わせでないといけません。

たくさんの健康法がある中で、食事(咀嚼)と呼吸と睡眠は最低限、人が行わないと生きていけないものです。

だからこの3つは少なくとも正しく行わないといけません。

食事を正しい姿勢で行っていますか?

食事の時にはテーブルであれば椅子に座ったときに足の裏を床にしっかりつけてください。

毎回片側だけで噛まないで左右を意識してみてください。

一口30回の気持ちで咀嚼をするように心がけてください。

30回という目安は1回1秒の計算で30秒になります。

唾液の効果が現れるのは30秒後からになるため30回は噛むようにした方がよいということからです。

また首の傾きも気をつけてください。

背骨が猫背になって食事をすると食道が丸まっていてストンと入りません。

犬食いのような見た目も悪い姿勢ではなく、正しい背筋を伸ばした美しい姿勢で食事を食べるようにしてください。

胃の働きを良くするために背骨を正して背筋を整えることをおススメいたします。

噛んでいるときに唇が開いていませんか?

唇を開けて噛むとくちゃくちゃと音が出ます。

美しい食べ方は躾の基本になります。

また食事を与えてもらった感謝の気持ちでいただくことが大切です。

作ってくれた農家の方や料理をしてくれた方に感謝をして有り難くいただく気持ちです。

食事を噛んだときに噛めない欠損の場所や噛んで痛い歯があれば、歯医者さんで治して貰ってください。

咀嚼はまな板と包丁のように例えられます。

上の歯が存在しても下の歯がないと機能しません。

まな板だけあっても野菜やお肉は切れません。

上の歯と下の歯がきっちり痛みなく噛み込めることが大切です。

そのグッと噛んだ時に唾液がジュッとでますので噛む行為がとても大切です。

少し前、人の寿命は江戸時代には50年でした。

歯の寿命は何もお手入れをしなければ55歳から毎年1本ずつ失くなります。

人生50年ならばお手入れは必要がないかもしれませんが、今は人生100年時代になります。

健康な歯を50歳を過ぎても手に入れたい場合は、子供の時から定期的に歯科医院で健診を受けて、こまめにクリーニングをしてください。

今のところ定期検診をこまめに受けられると当院では98%以上の高い確率で悪化を未然に防げます。

歯には悪くなる順番があり、健康の基準もあります。

歯の健康の基準の範囲を維持しておけば、余程でない限り抜歯に至るようなことはありません。

特に、歯周病は末期になるまで痛みや違和感がないため厄介です。

歯科医院でレントゲン撮影をすると歯を支える骨の量がわかります。

歯槽骨の骨の二重構造が壊れてしまっていないかを歯医者さんで確認してもらって欲しいと思います。

骨の二重構造の皮質骨は20代でも溶け始めている人が意外にも多く見られます。

だからなるべく若いうちから歯科医院で歯石をこまめに取り除くことが大切です。

歯石取りは、歯石が少しついているのを取るのは短い時間で終わります。

しかし、それを放置しておいて歯周ポケットの奥までたくさん歯石をつけてしまうと取るにも歯周外科を行ったりと時間もお金もかかります。

まずは日本人の8割以上の方が罹患していると言われる歯周病の予防から始めてください。

このように、健康な身体には健康な歯が必須になります。

健康な身体で過ごすには歯の健康を意識していただければと思います。

 

医療法人社団しらゆり会 しらゆり歯科医院 理事長 功刀初穂